IPスプーフィング - Wikipedia
IPスプーフィング(アイピースプーフィング)とは、IP通信において、送信者のIPアドレスを詐称して別のIPアドレスに「なりすまし」(英:spoofing)を行う攻撃手法を指す。ハッキング、サイバーテロ(サイバー攻撃)の一つ。より原義に近い形としてIPアドレススプーフィングと呼ぶこともある。
IP通信において、不正アクセスを防止する観点からポリシーに基づくフィルタリングを行うケースは多く、「特定のIPアドレスからの接続のみ可能」といったアクセス制限が施されている場合がある。このようなアクセス制限が施されている状況下にあっても、送信元IPアドレスを詐称することができればアクセス制限を迂回できてしまうため、攻略対象システムへの不正アクセスを成功させる可能性が高まる。また、攻略対象システムに残されるログにも詐称されたIPアドレスが記録されるため、攻撃者が攻略対象システムの管理者による追跡を逃れられる可能性が高まる。このような観点から、不正侵入等を目的とした不正アクセスにおいてはIPスプーフィングが有用とされている。
DoS攻撃(SYN flood、Smurf attack、ping of death、ping floodなど)では、攻撃対象のサービス提供を妨害することが主目的である。このような攻撃がごく少数のIPアドレスから行なわれている場合、それらのIPアドレスからのアクセス制限を施すことが攻撃への有効な対策となる。しかし、IPスプーフィングを用いて攻撃元を詐称すると、このような対策は無効となる。また、攻撃元を詐称することで本当の攻撃元の特定が困難となり、攻略対象システムの管理者からの追跡を逃れられる可能性が高まる。このような観点からDoS攻撃におけるIPスプーフィングは有用であり、現実にはほぼこの攻撃手法が併用されている。
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